実験A-29 脂質・タンパク質と糖質その4:アブラは二糖類の分解を妨げるのか?
アブラなめなーめー兄さーんがー♪ はかあってくーれーたけっとおおおちー♪
自分で計ったんじゃ( ゚Д゚)オラ
のっけからキレモードですが別にキレてはおりません(ヾノ・∀・`)
前回の「アブラ vs ブドウ糖対決」では、ブドウ糖の圧勝でございました。
さすがはブドゥ神、アブラごときにはビクともしませんでしたね。
アブラは単糖であるブドウ糖の吸収を阻害しない
わけですが、でも、
アブラは多糖類であるデンプンを摂った後の血糖値上昇を抑制した
のです。ということは、
デンプンがブドウ糖にまで分解されていたなら、血糖値上昇は抑制されなかったはず
なので、
アブラはデンプン→ブドウ糖への分解を邪魔した
のかもしれないのですね。
ここでデンプンの分解についておさらいしましょう。
多糖類であるデンプンは、
- 口内で唾液中の消化酵素アミラーゼによって、マルトース(二糖類・麦芽糖)やデキストリン(デンプンとマルトースの間的な多糖類)に分解
- 十二指腸内で膵液に含まれる膵アミラーゼによって残りも全部マルトースに分解
- マルトースは、小腸内のα-グルコシダーゼによってブドウ糖(グルコース)に分解
- ブドウ糖は小腸から吸収→全身へ
早い話が、デンプン→麦芽糖→ブドウ糖と分解されてから吸収されて血糖になるわけです。
そしてここから麦芽糖のお話しなのでCalling youでも聞きながらお読み下さい。
アブラが「デンプン→麦芽糖」を邪魔するとしても、それは血糖値計ったところで確認しようがないのですが、
「麦芽糖→ブドウ糖」を邪魔するのであれば、確認できますね。
アブラと麦芽糖を一緒に摂って、麦芽糖単体で摂る場合との血糖値の違いを見ればよろしいわけですから。
ということで、党首今回は生クリームと麦芽糖の同時摂取に挑みました。
その前に「麦芽糖のみ」で血糖値計っとかないとダメですが、とりあえず割愛します。
ブドウ糖も砂糖(麦芽糖と同じく二糖類)もデンプンも血糖値の上がり方は差がなかったのですから、麦芽糖もこれらと同じだと考えてよいでしょう。
とにかく生クリバクガ実験です。
戸棚に水アメがあるのを知っておりました。数年前にグミキャンディーの試作をしようと思って買ったのを覚えていたからです。
それが何年前だったのかは覚えておりませんでしたが、賞味期限が3年以上前なのでそれ以前なのは確かなようです。
賞味期限が何年前だろうと、党首には未開封の水アメが腐敗するとはとうてい思えませんから、気にせず使います。
それよりも賞味期限が1234なのがなんとなく小馬鹿にされている気がするんですがそれも気にしないことにします。
しかしこの水アメちゃん、長いこと出番待ってたのねぇ(´∀`*)
重量比82%が糖質なので糖質量30gに合わせるとなると36.6g食せばよろしいのですな。
ちょっと足りないけどまあいいや。
生クリは前回と同じ27g…と思ったら入れ過ぎたのですがこれもまたよしとします。
水アメというものを久しぶりに触りましたがベタベタネバネバしてて始末が悪いこと。
生クリなめながら別で水アメもなめるというのは想像しただけでうんざりする行為なので混ぜて飲み干すことにしました。
ミルクキャラメルの原液(?)みたいなものができました。
そして飲む…
あまぁ~!|||!( ♉ฺ ω ♉ฺ ;)!|||!
げろげろに甘い。
なんかこう脳に突き刺さるような。
フツカヨイも飛んでいきそうな。
血管が破れそうな。
そんな甘さ。
うー(´◉◞⊖◟◉`)
うー(´◉◞⊖◟◉`)
うー(´◉◞⊖◟◉`)
うー(´◉◞⊖◟◉`)
ウ-(´◉◞⊖
量が少なかったから4.5うーくらいで飲み干せましたけど。
あー、なんかしらんけど挫折感_| ̄|○
計りましょうけっとうち…
★血糖値(mg/dl)
- 空腹時: 78
- 30分: 112
- 60分: 157
- 120分: 88
これだけ見れば普通に上がり下がりしているようですね。他のと比べてみましょう。
同量の砂糖(二糖類)と重ねるとこうなります。おそらく麦芽糖単体だと砂糖と同じようなカーブになると思います。
お次はデンプン。糖質30g分のご飯との比較です。
ブドウ糖と比べてもしょうがない気はしますが一応。
白ご飯とラード飯ほどの差は見られないのでちょっと微妙ではありますが、砂糖・デンプンと比較すれば、「アブラ+麦芽糖」の方が血糖値上昇はやや抑えられています。
ということは、
アブラは [ 麦芽糖(二糖類)→ ブドウ糖(単糖類)] の分解を阻害するのかも
と言えそうです。
ここでもう一つの可能性に気付きました。
ラード飯実験(アブラと多糖類)ではもっと大きな差がでましたね。ほんまかいな?というくらい。
でも生クリと麦芽糖(アブラと二糖類)ではそれほど大きな差はでませんでした。
「アブラが二糖類→単糖類の分解を邪魔している」だけでは、ラード飯について説明しきれないと思うのです。
ご飯に含まれる糖質は何度も申しておりますが多糖類である「デンプン」です。
ひょっとしたら、アブラは「デンプン→麦芽糖」の分解も邪魔しているんじゃないでしょうか?
デンプン → ×1 → 麦芽糖 → ×2 →ブドウ糖
×1と×2の二カ所で分解を阻害することで、あれほど大きな差が生じたのかもしれません。
そして今回の実験よると×2の効果はそんなに強くなさそうですから、実は×1で強く働いているのかも。
またナゾが増えちゃったヽ(゚∀゚)ノ
これに関して党首にできるのはここまでです。
×1については実験できませんから。
いや、やろうと思えばできるのか。
いやいやいやいや。そうなるともう「血糖値実験室」ではなくてたんなる理科の実験ですがな。
これはやりませんよ(ヾノ・∀・`)ナイナイ
だれかやって!
ところで。
実は気付かないフリしてるけどもう一つ大きなギモンがあるのですよねぇ。
党首、普通に温かいパスタを食べる時、オリーブオイルをどばどば入れるんですよ。
でも血糖値は思いっきり上がると。
オイルなしの場合に比べれば多少は抑制されてるのかもしれませんけど、あんまり関係ないよなぁくらい上がります。
ラードご飯だともっとずっと血糖値低めなのに。
となると、
「アブラの種類によって効果が違う?」
という果てしない物語が始まってしまい…
いや、しらんしらん
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党首殿
いやぁ~、ますます実験に加速がついてしまって党首の耐糖能低下が真剣に心配です。
で、今日になって8/29の記事を記事を拝見しまして気付いた点などを。
>では糖質を全く摂ってないので、党首は低血糖を起こしているはずですね。
>
>ということは、インクレチンは多少出てたのかもしれませんが、血糖値を強く抑え込めるほどのインスリン分泌>促進につながるほどではなさそうです。
実はインクレチンは脂質によって過分泌しますが、グルコース濃度に依存してインスリンを分泌させます。
(これがDPP-Ⅳ阻害剤が低血糖を起こしにくい理由ですね。
血糖値が高い時のみ効果が発現するということです。
血糖が高くなければインスリン分泌を促進させません。
逆にSU剤はグルコース濃度によらずインスリンを分泌させますので低血糖リスクが高いわけです。)
で、先週土曜日が私の月一回の受診日でしたので主治医に確認しました。
(DM専門医の優しい女医先生です。)
「脂質と糖質を一緒に摂るとなぜ血糖が上がりにくいのですか」
との質問に
「それはインクレチンが脂質によっても出るからですよ~」
とのお答えでした。
まずはおひとりですが医師のお墨付きを頂きました。
(ちなみに私も一応調剤業務こそ行ったことがないですが薬剤師なんです。)
というわけで、すべての実験結果に整合性がつくかは難しいですが取り急ぎインクレチンの作用機序についてお知らせしました。
また脂質が糖の吸収を遅らせるかについては脂質自体も体内で代謝吸収されるわけですが、今のところ脂質の代謝産物が糖質代謝に影響するという何らかの情報は得られておりません。
イメージとしては脂に包まれて糖質代謝が遅れそうな気もしますが、脂質は脂質で分解吸収されますので少なくとも小腸内で糖質を包んでいるということはないように思います。
このあたりもう少し調べてみます。
ただし基本的に、糖質を摂っても血糖値が上がらない→インスリンがどんどん分泌 だとしたら肥満ホルモン過剰分泌+膵臓β細胞ダメージ の図式が出来上がってしまうのでおすすめはできないっすね。
さて、facebookの方はかなり盛んに議論されているんでしょうか。
覗こうと思いましたが2年以上放置しているのでメアドやらPWやらが分からなくなってしまいました。
それではぜひまたコメントさせてください。
コメントありがとうございます♪
ほほー。勉強になります。インクレチンは血糖が少ない場合はインスリン分泌を促進させないと。うまくできてるものですねぇ。
ある程度はインクレチンの影響はあると考えてよいみたいですね☆
今後もできる範囲でいろいろ実験してまいります♪