vol.4 英語の文の作り方その3 パーツと品詞の関係



これまで、

文のパーツ:S、V、O、C、+M

パーツの基本的な組み合わせ方:SV、SVC、SVO、SVOO、SVOC

について説明しました。

今回は、文のパーツ(S、V、O、C、M)と「品詞ひんし」の関係についてお話しします。

品詞というのは、それぞれの言葉(単語)を、機能(性質)ごとに分類したものです。

ようするに言葉の種類です。

ヒトやネコは「哺乳類」

ニワトリやスズメは「鳥類」

トカゲ、ヘビは「爬虫類」

などの分類と同じようなものです。

例えば、「『パンダ』という言葉の品詞は何?」と聞かれたら、「名詞」と答えます。

「早く走る」だったら、「早く」は「副詞」、「走る」は「動詞」という種類の言葉ということになります。

ここでは、品詞の種類とその機能(性質)について、おおまかに説明します。

それぞれの品詞の細かい注意事項は、後のレッスンでぼちぼちやっていくのでここでは気にしないで下さい。

このレッスンの目的は、

  • 品詞にはどのようなものがあるか(品詞の種類)
  • それぞれの品詞をどう使えばよいか(品詞の機能)
  • 文のパーツには、どの品詞を使えばよいか(パーツと品詞の関係)

を理解してもらうことです。

では参りましょう。

1.品詞の種類その1:超基本の4つの品詞

まずは、名詞、形容詞けいようし副詞ふくし、動詞の四つを完全に理解しましょう。

特に形容詞と副詞の違いはいつでも例を挙げて説明できるようになって下さい。

ここでしっかり理解して覚えておかないと、この後がガタガタになります。

①名詞

■名詞の機能

ざっくり言うと、「『もの』の名前を表す言葉」が名詞です。

「もの」は目に見えたり触ったりできる具体的(物理的)な物だけでなく、「愛」「絆」「発展」などの形のない考え(抽象概念ちゅうしょうがいねんと言います)も含まれます。

名詞には、a(n)やtheを付けたり付けなかったり、数えられるものと数えられないものがあったりしますが、それらについては一旦スルーしておいて下さい。

・具体的な物の例:机=desk / 犬=dog / 自転車=bicycle / 家=house / 少女-girl など

・抽象概念の例:経験=experience / 音楽=music / 情報=information / 愛=love など

■名詞とパーツの関係

・名詞は文の中で、S、O、Cとして使えます。

Sの例:「その犬、恐い」 [The dog] is scary. *dogが名詞

Oの例:「今朝、マイクに会ったよ」 I met [Mike] this morning. *Mikeが名詞

Cの例:「あなたに必要なのは愛です」 All you need is [love].  *loveが名詞

・名詞は前置詞とつなげて、形容詞や副詞を作ります。詳しくは別のレッスンで説明します。ここでは副詞(M)の例だけ示しておきます。

Mの例:「この部屋で彼女を待ってたんだ」I waited for her [in this room]. *in=前置詞(~で)、this room=名詞(この部屋)

★重要な点:

SとOには必ず名詞を使います。100%例外なしです。なので↑のOCの例でも、主語ももちろん名詞です。

Cは名詞か形容詞を用います。上のCの例では名詞がCになっています。

②形容詞

■形容詞の機能(はたらき)

形容詞とは、名詞を修飾する言葉のことです。修飾というのは、「説明する」「意味を付け加える」という意味です。

例えば、「きれいな花」の「きれいな」、「かしこい子」の「かしこい」、「あの人は変」の「変」等が形容詞です。

形容詞はそれだけで使うことも、名詞にくっつけて使うこともできます。

・形容詞だけで使う例:

「この花はきれいだね」 This flower is [beautiful]. *beautifulが形容詞

「あの人は変」 That guy is [strange].  *strangeが形容詞

「あのランナー、速っ!」 The runner is [fast]! *fastが形容詞

・名詞にくっつける例

「これはきれいな花だね」This is [a beautiful flower]. *形容詞beautifulと名詞flowerをセットで使用

「彼女はかしこい子だよ」She is [a smart girl]. *形容詞smart+名詞girl

「変な人が話しかけてきた」 [A strange guy] talked to me. *形容詞strange+名詞guy

■形容詞とパーツの関係

形容詞は、Cとして使うことができます。上の「形容詞だけで使う例」は全て、形容詞がCとして使われています。

「名詞」のところでも述べましたが、Cは「名詞か形容詞」を使うので、上記「名詞にくっつける例」の上の二つの[ ]の部分もCとなります。これらの例では、[形容詞+名詞」がCとなっているわけです。

★重要な点

形容詞は、「名詞を修飾する」ものであるという点が重要です。

下の副詞との違いをしっかりと覚えて下さい。

③副詞

副詞が苦手というかよく分かってない人が多いです。形容詞は比較的分かりやすいですが、副詞はなんかよくわからない感がありますね。

でも実は簡単です。副詞のはたらきは三つなので、それぞれについてちゃんと理解すれば問題ありません。

■副詞の機能(はたらき)

副詞とは、「名詞以外のものを修飾する言葉」です。

つまり、この基本の品詞で言うところの、「形容詞」「副詞」「動詞」を修飾する言葉をまとめて副詞と呼びます。

形容詞以外の修飾語をざっくりまとめちゃったんですね。雑な(笑)

この三つの中で、強いて言えば「動詞を修飾」が最重要なのでこれからいきましょう。

・動詞を修飾する例

「太郎君は走るのが速い」 Taro runs [fast].

この英文を直訳すると、「太郎は速く走る」です。「速く」という言葉は、動詞「走る」を修飾していますので、これは副詞ということになります。

「私の妹は朝早く起きる」 My sister gets up [early].

ここではearly(早く)が副詞です。これも動詞[get up]を修飾しているので副詞です。

「礼儀正しく振舞うべきです」You should behave [politely].

動詞がbehave(振舞う)、副詞がpolitely(礼儀正しく)です。

「動詞を修飾する言葉は副詞だ」ということ、今ここで常識にしてしまいましょう。

この先、副詞節、分詞構文、仮定法などの超重要な場面で欠かせないポイントです。

・形容詞を修飾する例

「あの犬、めっちゃアホ」That dog is [very] stupid.

stupid(バカ、アホ)は形容詞です。これに「とても(very)」がくっついて意味を強調しています。形容詞を修飾していることになります。

「この問題は極端に難しい」This problem is [extremely] difficult.

extremelyは「とても、極端に」という意味です。形容詞difficultを修飾しています。

「パンダって本当にかわいい」Pandas are truly lovely.

truly(本当に)が形容詞lovelyを修飾しています。

・副詞が副詞を修飾する例

「彼はとても速く走る」He runs [very] fast.

fastは「速く」という副詞、veryは「とても→速く」という風に副詞を修飾しています。

「お父さんはびっくりするくらい早く回復した」 My father recovered [surprisingly] quickly.

quickly(早く)は動詞recovered(回復した)を修飾する副詞です。この「早く」に「驚くほど」という意味の副詞surprisinglyがくっついています。

「彼女は本当に一生懸命英語を勉強する」She studies English [really] hard.

hardが「一生懸命に」という副詞、reallyは「本当に」という意味の副詞です。

■副詞とパーツとの関係

副詞はS、V、O、Cのどれにもなりませんが、Mとして頻繁に用いられます。

★重要な点

名詞を修飾する品詞は形容詞、名詞以外(動詞、形容詞、副詞)を修飾する品詞は副詞です。必ず覚えましょう。

それぞれのケースについて、簡単な例文をいつでも挙げられるようにしておいて下さい。

④動詞

動作(~する)や状態(~である)を表す言葉が動詞です。

文法的な注意事項は非常に多いですが、今のところは文のパーツとして見分けることができればOKです。

動作を表す動詞の例:勉強する=study / 食べる=eat / あげる=give / 走る=run など

状態を表す動詞は、「be動詞」が代表的なものとなります。これについては後のレッスンで説明します。

■動詞とパーツとの関係

これはシンプルです。パーツとしてもV(動詞)という言葉が使われいるとおり、動詞はVとして使います。

S、O、C、Mとしては使えません。

2.今回のまとめ

  • 名詞:名称を表す言葉。S、O、Cとして使えます。SとOは名詞のみです。
  • 形容詞:名詞を修飾する言葉。Cとして使えます。
  • 副詞:動詞、形容詞、副詞を修飾する言葉。Mになる。
  • 動詞:動作、状態を表す言葉、当然Vになる。

【文型の考え方】

  • SV
  • SVC
  • SVO
  • SVOO
  • SVOC

今はMについては考えないことにします。

品詞で考えれば、英語の文は、名詞、動詞、形容詞のたった三種類の品詞で出来ているということになります。

英語の品詞は、ここで挙げた4種以外にも、動名詞とか不定詞とかナンチャラブンシとか、たくさんあってうんざりしている人もいるでしょう。

しかし、これらの殆どは、実際に文の中で使われる時には、今回挙げた四種類の品詞のうちの二種(名詞、形容詞)として用いられることになります。

いろいろ組み合わせて副詞として使うものもあります。こちらはMになります。

要するに、英語の品詞ってなんかいっぱいあるようだけど、実はほぼ基本の品詞(名詞、形容詞、副詞)が形を変えたものに過ぎないんだ、ということです。

これ、なかなか耳より情報でしょう?

あなたが思ってるようも、英語はずっと単純なのです。

しつこいけど、最後にもう一回整理します。

  • S=主語=名詞
  • V=動詞
  • O=目的語=名詞
  • C=補語=名詞か形容詞
  • M=修飾語=副詞
  • これら以外の○○詞の大半=名詞か形容詞か副詞の一種

ということです。

シンプルな品詞をシンプルな5つのルールで組み合わせて文を作り、それらをさらにほかの文のパーツにして組み立てていくのが英文の作り方です。

次回から数回、他の品詞について説明します。

 

 

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